ガラス工事ってどんな工事?
「ガラス工事」は、その名の通りイメージしやすく、また他の業種との混同も起こりづらい、非常にわかり易い業種ではないでしょうか?国土交通省発行の「建築業許可事務ガイドライン」には「工作物にガラスを加工して取り付ける工事」と記載されていますが、非常にわかり易いですね。例示として「ガラス加工取り付け工事、ガラスフィルム工事」とされています。ガラスの取り付けだけでなく、ガラスに耐熱機能などを付与する為の、フィルム貼り付けも対象とされています。ただ、ここでひとつだけ注意点があり、ガラスの取り付けであれば「ガラス工事」が該当するのですが、窓の取り付けにおいては「建具工事業」が該当します。この一点だけはおさえておかなければなりません。
ガラス工事業とは
ガラス工事の内容については理解していただけましたか?次は、決まりごとや公的な視点から「ガラス工事業」をご紹介していきたいと思います。「ガラス工事業」とは、建設業第3条3項で定められている、29種類の建設業許可業種のひとつです。平成29年3月末の国土交通省の調査によると「ガラス工事業」の許可取得企業数は17,820社とされていて、29業種の内、下から8番目の企業数となっております(全体の3.8%)。ちなみに「建設業許可」とは、工事を行う際に、必ず必要とされる認可です。※ただし軽微な工事は除かれます。(500万円以下)
この認可は国土交通省が制定したもので、各都道府県に認可を行う窓口が存在します。工事を行う際に必要とされる認可となるため、建設業に関わる職人さんたちにとっては非常に大切な認可となります。
ガラス工事業の建設業許可を取るためには?
上記の通り、建設業許可は建設業においてとても重要なものになります。これがなくては、建設会社は工事を請け負う機会を大きく失うことになりかねません。ここでは、非常に重要なポイントとなる建設業許可の取得方法をご説明いたします。
ガラス工事業の建設業許可の取得のためには「経営業務の管理責任者」がいることなどの共通要件に加えて、建設業を営む営業所ごとに「専任技術者」を配置していることが要件とされています。ガラス工事業の「専任技術者」として認められるための要件としては、建築施策管理技士の1級または2級(仕上げ)、技能検定のガラス施工1級または2級の取得になります。※技能検定2級の場合、合格後3年以上の実務経験が必要となります。
上記のような資格を取得している以外でも、関係する工事の実務経験でも要件を満たすことができます。実務経験のみの場合は10年以上、高等学校の指定学科を卒業したあと、5年以上の実務経験、または高等専門学校・大学の指定学科卒業後に3年の実務経験などで、要件を満たすことができます。上記の経営業務の管理責任者と専任技術者以外にも、会社の財政状況や、関係する工事の施工頻度なども要件に含まれていますが、まずはこの2点をおさえておくと良いでしょう。
ガラス工事に関する資格や協会について
ガラス工事に関する資格としては「建設施策管理技士」と「技能検定のガラス施工」の2種類があり、これら2つの資格取得方法をご説明いたします。
・「建設施策管理技士」の場合
1級と2級が存在します。1級の場合は、15年以上の実務経験や2級建設施策管理技士の合格後、5年以上の実務経験などで受験資格要件を満たすことができます。また2級の場合は、8年以上の実務経験の他に、高等学校や高等専門学校、大学の指定学科の卒業に加えて、高等学校の場合は3年以上、高等専門学校の場合は2年以上、大学の場合は1年以上の実務経験を持つことにより、受験資格要件を満たすことができます。
・「技能検定のガラス施工」の場合
技能検定の合格者を「技能士」と呼びますが、この技能士資格は1~2級までの等級があり、それぞれ受験資格が異なります。1級の場合は、7年以上の実務経験、2級の場合は、2年以上の実務経験が必要とされています。ガラス工事に関する協会として、全国板硝子商工協同組合連合会が挙げられますが、この協会は1948年に前身の全国板硝子小売組合総連盟が設立され、1958年に現在の名称に変更された歴史ある協会で、環境マイスター制度の推進や、技能評価制度の実施、各地区訓練校が行う技能照査試験の実施協力などを行い、ガラス工事業の発展向上に貢献しています。
いかがでしたか?ガラス工事はその名の通り、ガラスを取り扱う工事という点においては、非常にわかりやすい業種といえます。私たちが生活していく上でもガラスは欠かせない存在であり、今後も発展していく業種のひとつともいえるでしょう。
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